トライアルの最新セルフレジ「レジカート」が注目を集めています。このレジカートの導入により、レジの待ち時間を大幅に短縮でき、多くの店舗で導入が進んでいるのです。
こうした効果を耳にして、トライアルと同様にレジカートの導入をご検討されている事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当記事では、最新セルフレジ「レジカート」と導入するメリットや買い物のポイントを紹介します。導入をご検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
トライアルの最新セルフレジ「レジカート」とは?
そもそも、トライアルが新たに導入した「レジカート」とは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは、「レジカート」がどのようなものなのか、具体的にみていきましょう。
トライアルのレジカートの概要
トライアルの「レジカート」は通称の呼び名で、正式名称は「スマートショッピングカート」と言います。
2023年7月現在、全国で89店舗に導入されており、導入台数は9,000台以上を記録しています。利用者の半数以上が50代以上と、若い人だけでなく年齢層の高い方からも支持を得ているのが特徴です。
後述しますが、レジカートには店舗にもお客様にもメリットがあるので、今後も導入する店舗は増えていくことでしょう。
レジカートの導入背景と目的
非常に便利な機能で注目を集めている「レジカート」ですが、その導入背景や導入の目的とはどのようなものなのでしょうか。
トライアルは九州の各地で展開されている大型ディスカウントショップです。もともと九州は鉄道網が発達しておらず、物流は福岡からのトラック輸送が原則となっています。とはいえ、配送ドライバーには改正労働基準法で時間外労働時間の上限が定められているうえに、燃料費の高騰などで物流にも大きな影響が出るようになりました。
物流コストは店舗にとっては大きな問題なので、収益を上げる方法を考えなければなりません。
そこで、トライアルが取り組んだのは、店内の省人化と物流の効率化です。レジカートは店内の省人化が実現できるうえに、プリペイドカードの精算によって顧客の商品ニーズが分析されます。
このようにレコメンドを最適化することで、効率的に商品を発注できるようになりました。
トライアルのレジカートの使い方
トライアルのレジカートはどのように使うのでしょうか。ここからは、トライアルのレジカートの使い方について、具体的な手順に沿って解説していきます。
- トライアルプリペイドカードを作成
- レジカートで買い物スタート
- プリペイドカードのバーコードをスキャン
- 商品をスキャン
- レジカート専用ゲートで決済
①トライアルプリペイドカードを作成
まずは、トライアルプリペイドカードを作成します。
トライアルの店舗に入ってすぐのところに、プリペイドカードの作成ができる端末が設置されており、その機器を用いて簡単に作成可能です。
作り方の手順としては、
- トライアル専用のプリペイドカードが一面に並んでいるので1枚選ぶ
- 端末へ移動
- 端末のpガイダンスに沿って必要項目を入力
- 2分ほどで登録が完了するので、チャージ用端末でお金をチャージする
このような流れで、端末の登録からチャージまでを行うことが可能です。
レジカートの利用にはこのプリペイドカードが必要なので、必ず作成しましょう。年会費や入会金は無料です。
②レジカートで買い物スタート
プリペイドを作成したら、いよいよレジカートを使って買い物をしていきます。
まずは店頭に並んでいるレジカートに通常通り買い物かごをセットしましょう。
マイかごを持っている場合は、マイかごをセットしても買い物ができます。
ただし、時間帯によってはレジカートが使用できないこともあるため、注意が必要です。
店舗によっても変わってきますが、一般的には9時~21時までが使用可能な時間帯となっています。早朝や深夜は使用できない店舗が多いので注意しましょう。
③プリペイドカードのバーコードをスキャン
レジカートにはタブレット端末が搭載されており、下部にはバーコードリーダーが付いています。
そのバーコードリーダー部分に、作成したトライアルプリペイドカード裏面のバーコードをかざしてスキャンしましょう。トライアルプリペイドカードを使用するのは、このスキャンをする時だけです。
お会計時に残高が不足した場合以外は必要ないので、落とさないようにしまっておきましょう。
万が一落としてしまうと、悪用される可能性があるので管理は厳重にすることが大切です。
④商品をスキャン
購入したい商品は、その都度バーコードをスキャンして登録していきます。
商品によってはクーポンが表示される可能性もあるので、必ず画面をチェックするようにしてください。
バーコードリーダーは端末下部に付いていますが、スキャナーを取り外してハンドスキャナーとして使用することも可能です。お米など重量のある商品は、バーコード部分に近づけるのが大変なのでハンドスキャナーで読み取りをしていきましょう。
中にはばら売りなど、バーコードのない商品もあります。そのような商品は、タッチパネルで直接「バーコードのない商品」を選んで登録しましょう。スキャンや登録が完了した商品はそのまま買い物かごに入れていき、買い物を完了させます。
レジカート専用ゲートで決済
店舗を回り終わったら、会計レジのコーナーへ向かいましょう。レジカート専用のレーンがありますので、通常のレジコーナーではなく専用のレーンへ向かってください。
ただし、中には買い物かごに入れた商品の総額が、プリペイドカードの残高を超えてしまうケースもあるでしょう。
その場合、タブレット端末の画面上に「残高不足」と赤字で不足金額が表示されます。
もし、残高が不足している場合には会計ゲート横にチャージ端末が設置されていますので、不足金額をチャージしましょう。そして、総額を支払える状態になったら、端末画面右下部分にある「会計に進む」を選択します。
ここまでの作業が終われば、ゲート前にいるアテンドスタッフが、精算内容に間違いがないかどうかを確認してくれますので、チェックが完了すればゲートを通過することが可能です。
補足:レジ袋はいつもらえる?
袋詰めに必要なレジ袋は、レジカート専用レジレーンの手前部分に置かれています。
「お会計に進む」ボタンを押すと、レジ袋の枚数入力画面に移ります。
そこで必要な枚数を入力しましょう。マイバッグやマイかごを使う場合は、「不要」ボタンを押すだけで次に進むことができます。
入力したレジ袋の枚数を、専用レジレーンの手前で取りましょう。
レジカートはサッカー台の上にそのまま移動できるサイズになっているので、そのまま商品を袋に詰めれば買い物が完了です。
トライアルのレジカートのメリット
ここからは、トライアルのレジカートを導入するメリットについて解説していきます。レジカートの導入を迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
- 買い物時間の短縮
- レジの混雑回避
- エコ活動への貢献(レジ袋有料化対応)
買い物時間の短縮
最初のメリットは、買い物時間の短縮ができるという点です。
レジカートを導入すると、商品を買い物かごに入れながら、バーコードの読み取りを行うことで買い物と同時に会計を進めていくことができます。
そのため、買い物全体にかかる時間を短くすることができるのです。
また、プリペイドカードで自動的にお金が引き落とされるため、レジで現金を出す時間も必要ありません。
合計金額も事前に分かるので、会計時に予算オーバーで手間取ってしまうこともないでしょう。
レジの混雑回避
会計がスムーズになることで、レジの混雑回避にもつながります。
会計レジが混雑していると待ち時間が長くなるため、お客様が帰ってしまうケースもあるでしょう。
あまりにも会計時間が長いと、「次からは来ないようにしよう」と思うお客様もいるはずです。
そのため、レジカートを導入し、レジの混雑を回避できることで、集客効果も期待できるでしょう。
また、店内が混雑すると、感染リスクも高くなります。レジカートの導入により人の密集を防ぐことができるため、感染対策をしている店舗としてお客様から評価されることも期待できるでしょう。
エコ活動への貢献(レジ袋有料化対応)
最後のメリットとして「エコ活動への貢献」が挙げられます。
マイかごを購入してレジカートで使うことで、サッカー台で袋詰めする手間がかかりません。
結果として、レジ袋を使った通常の買い物よりも、4分の1程度の時間で買い物を済ませることができます。
また、買い物時間がより短縮されることで、マイかごを購入するお客様の増加も期待できます。レジ袋を使用するお客様が減ることから、エコ活動への貢献ができるでしょう。
トライアルのレジカートを使った買い物のポイント
ここからは、トライアルのレジカートを使った買い物をする際のポイントについて解説していきます。
ポイントを押さえておくことで、スムーズに買い物ができるようになるでしょう。
- レジカートをスムーズに利用するコツ
- レジカート利用時の注意点
レジカートをスムーズに利用するコツ
まずは、レジカートをスムーズに利用するコツを紹介していきます。レジカートを利用していると、重量エラーが起こりレジカートで「店員を呼んでください」という表示が出ることがあります。
マイバッグやレジ袋をレジカートに設置する際には、カートの奥の方で広げることが大切です。
重量の計測器が奥部分に設置されているので、計測器部分にレジ袋をセットするようにしましょう。
レジカート利用時の注意点
レジカートの利用時にはいくつか注意点もあります。
まず、プリペイドカードにチャージした金額の返金はできないという点です。引っ越しなどで店舗を利用できなくなっても返金は受け付けてもらえないので、使い切るようにしましょう。
また、プリペイドカードの紛失にも注意が必要です。カードを紛失した場合、チャージしたお金を他の誰かに使われてしまう可能性があります。万が一なくしてしまった場合は、サービスカウンターやトライアルの公式ホームページで手続きをすると利用を止めることができます。
トライアルのレジカート導入による店舗側のメリットは?
レジカートを導入することで、店舗側にもさまざまなメリットがあります。
ここからは、店舗側のメリットを具体的に見ていきましょう。
- 人件費削減
- レジ混雑の軽減
- ヒューマンエラーの防止
人件費削減
最初のメリットは、人件費が削減できるという点です。会計をお客様自身が行ってくれるので、会計業務を行うスタッフを少人数に抑えることができます。これまで会計を行っていたスタッフに、他の業務に回ってもらうこともできるでしょう。
人件費を抑制できると、それまで人件費にかかっていた費用を別の経費に回すことができます。それにより、販促活動や店舗設備のメンテナンスに注力できるようになるでしょう。
レジ混雑の軽減
次のメリットは、レジ混雑の軽減です。先述したように、会計がスムーズになることで、レジ待ち時間が大幅に削減できます。レジの回転率も上がり、店舗の売上金額の上昇も期待できるでしょう。
また、トラブルに発展するケースを避けられるというメリットもあります。
レジ待ち時間が長くなると、イライラしてしまうお客様もいることでしょう。それにより、スタッフとのトラブルが発生するケースもあります。
しかし、レジカートの導入でレジ待ち時間が短くなることで、お客様だけでなくスタッフも気持ちに余裕を持って対応できるようになるはずです。
ヒューマンエラーの防止
最後のメリットは「ヒューマンエラーの防止」につながるという点が挙げられます。これまでの会計システムでは、従業員が商品をスキャンしたり、つり銭を直接渡したりとすべて手動で行っていました。
しかし、レジカートでは機械がスキャン漏れやつり銭の数え間違いといったヒューマンエラーを防ぐことができます。
店舗側が損をすることもなくなり、人為的ミスでお客様とトラブルが発生するケースを減らすこともできるでしょう。
トライアル以外のスーパーマーケットのセルフレジシステム事情
ここからは、トライアル以外の下記スーパーマーケットで、セルフレジがどの程度導入されているのかを解説していきます。セルフレジの導入を迷っている店舗は、ぜひ参考にしてください。
- イオン
- いなげや
- イトーヨーカドー
- マルエツ
イオンのセルフレジ事情
イオンでは、レジカートと類似の製品である「レジゴー」を導入しています。レジゴーは店舗に設置された専用のスマートフォンや専用アプリを使って、商品のスキャンから支払いまでをお客様自身が行えるサービスです。
レジカートとの大きな違いは、専用のショッピングカートが必要ないという点です。また、レジカートの支払いがプリペイドカードのみであるのに対して、レジゴーは各種キャッシュレス決済や現金にも対応しています。
いなげやのセルフレジ事情
いなげやは東京都や神奈川、埼玉、千葉など関東地方で130以上の店舗を運営している食品スーパー企業です。いなげやでも全店舗にセミセルフレジを導入する予定が進められています。
2015年時点でテスト的に6店舗でセルフレジの導入を始めたいなげやですが、8年経った今ではさらにセルフレジの導入が進んできました。
イトーヨーカドー
イトーヨーカドーでは、東芝テックのカート型セルフレジやスマホ型セルフレジの導入が進められています。レジの名称は「IYマイレジピピットカート」「IYマイレジピピットスマホ」です。
支払い方法は現金、クレジットカード、nanacoなどの電子マネー、コード決済など、これまでと変わらない決済手段で支払いができます。決済完了後は精算済みのレシートを小型セキュリティゲートにかざすことで、通行が可能です。
マルエツ
マルエツのセルフレジ決済は「Scan&Go(スキャンアンドゴー)」という名称のサービスです。最近ではマルエツだけでなく、カスミやマックスバリュといったスーパーマーケットでも利用できるようになっています。
今後も導入店舗の増加が見込まれており、500店舗以上で導入が予定されています。なお、「Scan&Go(スキャンアンドゴー)」を利用するためには、事前にアプリをインストールしてクレジットカードやTポイントなどの情報を登録しておく必要があります。
まとめ
トライアルのレジカートについて、具体的な使い方や導入のメリットを解説してきました。
レジカートは専用のショッピングカートを使って、買い物をしながら会計を行っていくサービスのことです。
買い物時間やレジ待ち時間の短縮ができるので、お客様にとっても店舗側にとっても大きなメリットが得られるでしょう。
近年はさまざまなスーパーマーケットでセルフレジの導入が進められています。まだセルフレジを導入していないという店舗は、この機会に導入してみてはいかがでしょうか。