近年、POSレジの普及率が高くなっていますが、操作に苦戦するスタッフは非常に多いです。その結果、レジが行列になったり、お客様からクレームが発生したりと、スタッフの心理的負担になっています。また、釣銭ミスによってレジ締め作業に時間をとられ、残業時間が伸びることもあり、課題が多いのが現実です。
これらの課題を解決するためには、スタッフがレジの練習をすることが解決策の一つになります。POSレジには、本記事で紹介する練習機能がついているものもあるので、うまく活用するといいでしょう。
本記事ではPOSレジの練習機能について解説しています。その前にPOSレジの基礎知識をおさらいしたい方は下記の記事をチェックしてみてください。
POSレジの練習機能とは?何ができる?
POSレジには、操作方法を覚えてスムーズに操作ができるようになるための「練習機能(トレーニングモード)」を搭載しているものがあります。
各メーカーが提供しているPOSレジは、それぞれ機能や画面構成・操作方法などが異なり、以前まで別のPOSレジを使っていた場合などは、操作に戸惑うことが少なくありません。そのため、導入後は使い慣れるまである程度の練習する必要があります。その際に役立つのが練習機能です。
POSレジの練習機能は、基本的にメニュー上にあるトレーニングモードをオンにするだけで変更できます。トレーニングモードをオンにすれば、実際にレジを操作してもPOSシステムに記録は反映されません。
トレーニングモードにした際、クレジット決済に制限がかかっている場合がありますが、練習するスタッフのクレジットカードを使って操作し、その後すぐに返金操作を行えば練習ができます。
実際に練習機能を利用してみて分からないことがあった場合は、チャットや電話などでサポートを受けるようにしましょう。ホームページ上で操作方法の動画を公開しているメーカーもあります。
POSレジの練習機能でできること
POS レジの練習機能では、実際に運用する際に行う売上情報の入力や預り金の登録、クレジットカード決済やレシートの印字などが可能です。
売上情報を登録しても、トレーニングモードになっているときはPOSシステム上に計上されません。また、プリンターを設定しておくことで、トレーニングモードでもレシートを印字できます。
人気POSレジの練習機能を画面付きで紹介
ここでは、人気POSレジの練習機能を画面付きで紹介していきます。
タブレットPOSレジの練習機能(スマレジの例)
- 設定を開く
スマレジの場合はアプリの右下に「設定」の項目があります。
- トレーニングモードをオンにする
「端末設定」をタップし、「その他」の項目内にある「トレーニングモード」をオンにします。
- 画面右上にトレーニングモードと表示される
トレーニングモードを終了させたい時は設定をオフに変更します。
売操作・仮販売・精算・在庫管理などの機能を、本番と同様に操作可能です。トレーニングモードで操作をする際は、データが保存されないことをお知らせする確認のメッセージが表示されます。
クレジットカード決済などの外部連携する機能は、トレーニングモードで利用できるサービスに制限があるので注意しましょう。
スマレジの場合、以下の決済サービスはトレーニングモード上で処理されるため、実際に決済は行われません。その他の決済サービスは、連携してトレーニングモードの処理をすることができないので気をつけてください。
- スマレジ・PAYGATE(QR決済は利用不可)
- VEGA3000(スマレジ・ペイメント)
- ペイメント・マイスター for J-Mups
- ペイメント・マイスター for FG-Center
- おてがるPayクレジット
- おてがるPay電子マネー
- JET-S端末 CATS300 / CATS330
- JET-S端末 JT-C17U
- JET-S Cloud端末 JT-C31W / JT-VT10
- JMups端末 JT-C30L
- INFOX端末 JT-C16U
- VEGA3000 Mobile2
- stera terminal
なお、トレーニングモード非対応の決済サービスを試す場合は、トレーニングモードをオフにした上で実際
POSレジ練習機能を使う時の注意点
ここでは、POSレジの練習機能を使うときの注意点を解説していきます。重要な部分なので、しっかりと確認しておきましょう。
練習後は必ずトレーニングモードを終了する
練習機能を使用した後は、必ずトレーニングモードをオフにするようにしてください。トレーニングモードのままだと、実際に運用する際、売上情報がシステム上に反映されません。そのため、練習後は必ずトレーニングモードをオフにする必要があります。
トレーニングモードはあくまで補助的な役割
トレーニングモードはあくまで補助的な役割なので、本番で慣れることも重要です。 また、エラー発生時の練習はできないので、本番でPOSレジ自体にエラーが発生した際の対応方法を策定し、スタッフ同士で共有しておく必要があります。
スタッフトレーニングを指導してくれるレジメーカーも
POSレジを提供しているメーカーの中には、スタッフトレーニングをサポートしてくれるところもあります。 たとえば、スマレジの場合は、開店から販売・閉店業務の一日の流れや各種機能のトレーニングを、現地もしくはオンラインで行なってもらうことが可能です。
練習機能つきのPOSレジ6選
ここでは、練習機能つきのPOSレジ6選を紹介していきますので、それぞれを比較して導入を検討してみてください。
スマレジ
初期費用 | 20万円前後 |
月額利用料 | 0円(スタンダード) 5,500円(プレミアム) 8,800円(プレミアムプラス) 12,100円(フードビジネス) 15,400円(リテールビジネス) |
- 0円で利用できるプランがある
- 低価格かつ多機能
- シンプルな操作性
スマレジは、iPadにアプリをインストールするだけで利用できるPOSレジです。 基本的なレジ機能のほか、売上管理・在庫管理・顧客情報管理などの機能が備わっており、在庫はECサイトとの連携ができます。キャッシュレス決済端末や自動釣銭機などとの連携も可能です。
有料でのトレーニングサポートがあり、開店から販売・閉店業務の一日の流れと各種機能のトレーニングを1回44,000円で行なってもらえます。
■スマレジの製品詳細
導入数 | 121,000店舗以上 |
タイプ | タブレット |
対応する業種 | 汎用 |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | 株式会社スマレジ |
ユビレジ
初期費用 | 要問い合わせ(レンタルプランの場合は初期費用0円) |
月額利用料 | 1ヶ月お試しプラン:月額0円プレミアムプラン:月額6,900円~ ユビレジハンディ(飲食店向け):月額1,500円~ ユビレジ在庫管理:月額4,500円~ リースプラン:要問合せレンタルプラン:初期費用0円・電話サポート月2,000円 ※導入後2ヶ月間は無料 |
- 導入実績30,000以上
- レンタルの場合は初期費用0円
- サポート体制が整っている
ユビレジはPOSレジのパイオニアであり、30,000以上導入実績がある人気POSレジです。 リースやレンタルでの導入もでき、レンタルの場合は初期費用0円で導入できます。
サポート体制がしっかりと整えられており、設置・商品登録サポートを行ってもらうことが可能です。また、利用方法の電話講習を行ってもらうこともできます。
■ユビレジの製品詳細
導入数 | 30,000以上 |
タイプ | タブレット |
対応する業種 | 汎用 |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | 株式会社ユビレジ |
POS+(ポスタス)
初期費用 | 400,000円程度 |
月額利用料 | 小売店:月額12,000円~ 飲食店:月額12,000円~ 飲食店(小規模店舗)月額6,000円~ 美容・サロン:月額12,000円~ |
- キャッシュレス決済端末や自動釣銭機と連動できる
- 直感的な操作ができる
- スタッフ向けの操作トレーニングがある
POS+は、非常に多機能でキャッシュレス決済端末や自動釣銭機との連動が可能です。 会計ソフトや予約管理システムなどと連携もできます。また、iPadを使用するため、直感的な操作が可能です。
サポートが充実しており、初期設定・設置サポートがあります。設置の際、担当者に対面もしくはオンラインでスタッフ向けの操作トレーニングを行ってもらうことが可能です。
■POS+の製品詳細
導入数 | 月間1,000店舗以上 |
タイプ | タブレット |
対応する業種 | 飲食店・小売店・サロンなど |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | ポスタス株式会社 |
SquarePOSレジ
初期費用 | POSレジ:無料キャッシュレス決済端末を導入する際は以下のいずれかが必要。 Square リーダー(Bluetooth接続):7,980円 Squareスタンド:29,980円 Squareターミナル:46,980円 |
月額利用料 | 無料(別途キャッシュレス決済手数料) |
- コスパが非常に良い
- 無料ながら充実した機能を備えている
- 申込当日から使用できる
SquarePOSレジは無料ながら充実した機能を備えており、非常にコスパがいいPOSレジです。また、Squareのアカウント登録自体は数分で完了し、決済の受付も最短即日で始めることができます。
周辺機器のデザイン・機能性にも優れており、店舗の雰囲気を損ねることはありません。ネットショップの開設・連携ができるので、売上アップにもつながるでしょう。
■SquarePOSレジの製品詳細
導入数 | 国内488,000店舗以上(2020年3月時点)全世界200万以上 |
タイプ | タブレット |
対応する業種 | 小売店、飲食店など |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | Square株式会社 |
Airレジ
初期費用 | 10万円程度 |
月額利用料 | 0円(サポート込み) |
- すべての機能が月額0円で使える
- シンプルな設計なので使いやすい
- キャッシュレス決済やセルフレジをスムーズに導入できる
Airレジはすべての機能を無料で利用でき、シンプルな設計なので非常に使いやすいです。関連サービスとしてAirペイを提供しているため、キャッシュレス決済の導入をスムーズに行えます。飲食店向けのAirREGIオーダーでは、セルフオーダーやハンディでの注文が可能です。
トレーニングを行う際は通常通り会計を行い、その後すぐに伝票を削除すればシステム上に反映されません。また、キャッシュレス決済の練習も可能です。
■Airレジの製品詳細
導入数 | 663,000アカウント |
タイプ | タブレット |
対応する業種 | 汎用 |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | 株式会社リクルート |
東芝テック製品
初期費用 | 要問合せ |
月額利用料 | 要問合せ |
- セルフレジが充実している
- POSレジシェア率ナンバーワン
- スーパーや飲食店におすすめ
東芝テックはPOSレジシェア率ナンバーワンのメーカーであり、さまざまなセルフレジなどのPOSレジを提供しています。 WILLPOSシリーズだけでも、複数の機種があり、店舗の規模・業態に応じて導入することが可能です。
トレーニングモードも備わっており、ハンディを導入する際はハンディのトレーニングもできます。
■東芝テック製品の製品詳細
導入数 | 要問合せ |
タイプ | ターミナル |
対応する業種 | 小売店・飲食店など |
スタッフトレーニングサポート | 〇 |
メーカー名 | 東芝テック株式会社 |
上記以外のおすすめPOSレジについては下記の記事で解説しています。気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
多くのPOSレジは、基本的に誰にでも操作しやすいように作られています。しかし、パソコンやタブレットの操作が苦手な方は、初めのうちは手こずるでしょう。そのような方のために、トレーニングモードが備わっているので、本番前に使い慣れるまで練習しておくといいです。ただし、エラーなどのトラブルが発生した際は、練習で行なっていたこと以外の対応をとらなければならないため、本番の場面で場数を踏んでいくことも大切になります。
トレーニングモードが搭載されている POS レジの導入を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてください。