- POSレジの業界カオスマップ
- POSレジ業界の市場規模(国内・全世界)
- POSレジ・セルフレジの導入率(普及率)
- POSレジのメーカー別シェアランキング
- シェアランキング上位のPOSレジの特徴
- POSレジの今後のトレンド
POSレジでは、取り込まれたデータを自動的に集約できます。売上や在庫の状況を一目で確認でき、何を・いつ・何円で・何個販売したのかということも、販売情報から分析可能です。
POSレジを導入している店舗では、会計やレジ締め作業などの効率化を実現しています。
今回の記事では、POSレジのシェア率や市場規模・今後のトレンドなどについて詳しく解説していくので、導入を検討している方は参考にしてみてください。
POSレジの業界カオスマップ【2023年4月作成】
早速ですが、弊社で作成したPOSレジ業界カオスマップを紹介していきます。
※本資料・記事に関する追加、修正のお問合せは「問い合わせフォーム」にてご連絡ください
POSレジ(ターミナルPOSレジ)
POSレジ(ターミナルPOSレジ)は2023年現在国内でもっとも普及しているタイプのPOSレジです。東芝テックやNEC、富士通など歴史ある大手メーカーが中心です。その他、各業種に特化したPOSレジを提供するメーカーが名を連ねます。機能が高く、大手のコンビニチェーンやスーパーマーケットでは特に高いシェア率を誇っています。
東芝テック株式会社、日本電気株式会社(NEC)、富士通フロンテック株式会社、シャープ株式会社、株式会社寺岡精工、株式会社TBグループ、株式会社イシダ、株式会社Groony、株式会社ブレイン、株式会社ポスコ、株式会社プラネット、株式会社バルテック
タブレットPOSレジ
タブレットPOSレジはiPadなどのタブレットにPOSレジアプリをインストールすることで利用可能になるPOSレジです。導入の手軽さや、低価格でありながら充実した機能を持っていることから、小規模店舗、大型店舗問わず現在、急速にシェアを拡大しています。
東芝テック株式会社、日本電気株式会社(NEC)、株式会社リクルート、株式会社スマレジ、株式会社USEN、株式会社ユビレジ、Square、株式会社スカイダイニング、株式会社ユニエイム、STORES株式会社、エクシードシステム株式会社、Okage株式会社、ポスタス株式会社、株式会社ユーエスエス、株式会社エスキュービズム、株式会社フォウカス、アロハス株式会社(でん票君共同開発)、株式会社グローカリズム(でん票君共同開発)、4U Applications、Loyverse、株式会社テンポス情報館、株式会社バルテック、株式会社アライズ、株式会社リレーションズ、株式会社藤田電機製作所、株式会社リザービア、INEST株式会社
タブレットPOSレジは下記の記事で詳しく紹介しています。
パソコンPOSレジ
パソコンPOSレジとは市販のパソコンにPOSレジソフトをインストールしたタイプのPOSレジのことを指します。また、WIndowsOSのPOSシステム専用パソコンを使ったタイプやパソコンを使ってクラウド型のPOSシステムを利用するタイプもパソコンPOSレジに含まれます。中心プレイヤーは後者の専用パソコンタイプのメーカーになります。機能・価格面が優れており、使い慣れたパソコンで操作できる点から一定のシェアを誇ります。
日本電気株式会社(NEC)、株式会社ビジコム、スキルネット株式会社、株式会社モイネットシステム、株式会社タスネット、株式会社ハイパーソフト、株式会社トスマク・アイ、株式会社dual&Co.、株式会社バルテック
パソコンPOSレジは下記の記事で詳しく紹介しています。
決済端末一体型POSレジ
決済端末一体型POSレジとは、レシートプリンター、キャッシュレス決済端末、POSレジ端末が一体となった最新タイプのPOSレジのことです。周辺機器がひとつの端末に集約されることから、レジ回りがすっきりし、導入費用も大幅に抑えられます。2022年ごろから登場し始めた製品なのでまだ製品バリエーションは少ないです。従来のPOSレジに比べてメリットが多く、今後シェアを拡大していくと予想されます。
株式会社スマレジ(スマレジ・PAYGATE)、SMBC GMO PAYMENT株式会社(sterapackPOS)、株式会社ビジコム(steraterminal×リアレジ)、ポスタス株式会社(steraterminal×POS+)
決済端末一体型POSレジは下記の記事で詳しく紹介しています。
POSレジの市場規模・成長率
世界と日本、ターミナルPOSレジとクラウドPOSレジ、それぞれで別々のデータが取得できました。以下の順番で市場規模と成長率を紹介していきます。
- 日本のターミナルPOSレジ市場規模・成長率
- 世界全体のターミナルPOSレジ市場規模・成長率
- 世界全体のクラウドPOSレジ市場規模・成長率
- 国内のモバイルPOSレジ市場規模・成長率
①日本のターミナルPOSレジ市場規模・成長率
まずは、日本の「ターミナルPOSレジ」の市場規模データを見ていきましょう。「POSターミナル市場に関する調査を実施(2022年)」によると、日本の市場規模は2021年時点で400.28億円でした。出荷台数は93,813台となっています。
国内のターミナルPOSレジ市場は2017年のコンビニチェーンでの機器リプレイスによる大幅な需要拡大以降年々減少しています。2021年度は景気の先行き不安などもあり、ターミナルPOSレジ市場は近年で最も低水準となりました。タブレットPOSレジの需要拡大も、大きな原因となっていると考えられます。市場は徐々に回復すると見込まれており、2022年度は成長率22.3%で481.53億円まで回復する見込みです。
②世界全体のターミナルPOSレジ市場規模・成長率
続いて、世界全体の「ターミナルPOSレジ」の市場規模データを見ていきましょう。世界全体の市場規模は「グローバルPOS(POINT OF SALE)ターミナル市場-成長、傾向、COVID-19の影響、および予測(2022年-2027年)」によると、2020年時点では722.8億ドルでした。
その後成長を続けており。市場規模は2026年までにさらに大きくなると見込まれています。2021年から2026年までの年平均成長率(CAGR)は8.3%と予測されており、2026年には市場規模が1162.7億ドルに達すると予想されています。
近年のターミナルPOSレジは、会計ソフトや在庫管理システムなど、さまざまな周辺機器・ 外部サービスと連携できます。POSレジの需要が増している要因の一つは、拡張性の向上により売上や在庫を正確かつ迅速に管理できるようになっているためです。
また、新型コロナウイルス拡大の影響で、消費者は非接触決済を好む傾向にあります。POSレジは、キャッシュレス決済端末との連携や、セミセルフレジとして運用可能です。そのため、感染予防対策として、POSレジを導入している店舗もあります。
③世界全体のクラウドPOSレジの市場規模と成長率
続いて、世界全体のクラウドPOSレジの市場規模と成長率を紹介していきます。「クラウドPOSの世界市場:コンポーネント別・企業規模別・アプリケーション別・地域別展望、COVID-19の影響分析、および予測 (2021年~2027年)」によると、世界全体のクラウドPOSレジの2020年の市場規模は22億ドルです。
以下グラフの通り、2021年以降の年平均成長率(CAGR)は24%と見込まれており、2027年は100億ドル程度になると予想されています。
上記は、世界全体の市場規模・年平均成長率の予想です。日本の場合、POSレジの市場規模は2017年に一度ピークを迎えています。出荷台数が22万台で出荷金額は769億円です。(株式会社矢野経済研究所による調査に基づくデータ)
2017年以降のデータは推定ですが、2018年は660億円、2019年は609億円となっています。2017年の出荷金額が高い要因の一つは、大手コンビニチェーンなどのレジ入れ替え需要が増加したからでしょう。
④国内モバイルPOSレジの市場規模
国内モバイルPOSレジ(スマホやタブレットで利用するPOSレジのこと)の市場規模と導入店舗数は過去5年で以下のような推移をしています。
年 | 導入店舗数 | 市場規模 |
---|---|---|
2015年 | 99,000店 | 23億円 |
2016年 | 150,000店 | 36億円 |
2017年 | 200,000店 | 52億円 |
2018年 | 250,000店 | 73億円 |
2019年 | 300,000店 | 102億円 |
2020年 | 350,000店 | 140億円 |
モバイルPOSレジは、ターミナルPOSレジとは違いここ数年で順調に成長を見せています。理由として、従来のターミナルPOSレジの高い機能を兼ね備えながら、導入費用10万円~20万円、月額利用料金0円~2万円と格安で利用できる点が挙げられます。また、スマホやタブレットなど日常的に利用している端末にPOSレジアプリをインストールするだけで使える製品も多く、導入の手軽さも導入数急成長の要因となっています。特に小規模店や個人経営店では、モバイルPOSレジが利用されるケースが多いです。
POSレジの導入率(普及率)は?
「株式会社リクルートが2023年3月に行った調査」によると、飲食店におけるPOSレジの導入率は22.3%※でした。また、これから導入しようと考えている人は、12.1%でした。2022年3月に行った調査では導入率が19.6%で、導入しようと考えている人が11.1%でした。
※調査対象:全国47都道府県の20歳以上の飲食店経営者
※有効回答数:1,085件
一方で、「飲食店リサーチ」が2019年に実施した調査によると、飲食店におけるPOSレジの導入率は41.6%でした。リクルートの調査結果とずれがありますが、どちらにせよ導入率は20~40%で、今後まだまだ市場拡大の余地はあると言えます。
飲食店はPOSレジの導入が比較的進んでいる業界であるため、DX化が遅れているとされる医療機関・薬局や美容室などの他業界ではさらにPOSレジの導入が遅れていると見込まれています。そのため、今後もPOSレジの需要は堅調に推移するでしょう。
新型コロナウイルスによるセルフレジの導入や、インボイス制度に伴うリプレイス需要も考えられるので、今のところPOSレジの市場規模自体が縮小していく可能性は低いです。
特に2023年10月からスタートするインボイス制度に伴い、インボイス未対応の旧レジスターを使用している店舗は、レジの入れ替えをする必要があります。その際POSレジへの入れ替えを選択する事業者が多いと予想されるので需要はかなり増える可能性があります。
インボイス対応のレジについて詳しくは下記の記事で解説しています。気になる方はチェックしてみてください。
セルフレジのシェア率(普及率)は?
それでは、最近シェア率が急速に伸びているセルフレジはどうでしょうか。セルフレジの普及率は右肩上がりで、「2021 年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、スーパーマーケットでのフルセルフレジのシェア率は23.5%、セミセルフレジのシェア率は72.2%という結果になっていました。
最近はスーパーマーケットに限らず、飲食店やクリニックなど、セルフレジを導入している業種も増えてきています。小規模店舗での導入も進んでいるので、しばらくはシェア率は増加していくと想定されます。
POSレジのシェア率上位メーカーはどこ?
ここでは、POSレジのシェア率上位メーカーを、国内ターミナルPOSレジ、国内タブレットPOSレジ、世界全体に分けてそれぞれ紹介していきます。
ターミナルPOSレジメーカーのシェアランキング【国内】
2018年時点のPOSレジのシェア率およびランキングは、以下のようになっています。
シェアランキング | メーカー名 | シェア率 |
---|---|---|
1位 | 東芝テック | 約36% |
2位 | NEC | 約28% |
3位 | 富士通フロンテック | 約18% |
4位 | シャープ | 約9% |
5位 | 寺岡精工 | 約6% |
6位 | TBグループ | 約0.5% |
7位 | その他(CASIO) | 約3% |
上位3社で60%以上のシェア率を確保しているというデータとなりました。3社いずれも、大手企業のグループ会社です。これは、大手だからこその技術力や信頼による影響が大きいでしょう。そのほかのメーカーのシェア率は、シャープが約9%・寺岡精工が約6%と続いています。各メーカーの製品の特徴については後述いたします。
タブレットPOSレジのシェアランキング【国内】
シェアランキング※推定 | 製品名 | 導入数 |
---|---|---|
1位 | Airレジ | 709,000アカウント |
2位 | スマレジ | アクティブ店舗数38,000店舗以上 |
3位 | ユビレジ | 30,000店舗 |
タブレットPOSレジは、3大メーカーと言われるAirレジ・スマレジ・ユビレジのシェア率が高いです。導入店舗数は、 スマレジがアクティブ店舗数38,000店舗以上、ユビレジが30,000店舗以上となっており、Airレジに関しては709,000アカウント以上と圧倒的な数の利用者がいます。ただし、あくまでアカウントダウンロード数になるので実際の利用店舗はアカウント数よりも少ないと思われます。
これらのタブレットPOSレジの需要は増しており、iPadを活用するため操作性が高く・デザイン性に優れている点などが、人気の理由として考えられるでしょう。
また、世界的にシェア率の高いSquareやloyverse POSも日本に進出しており、シェアを伸ばしています。特にSquareに関しては、全世界200万以上の事業者に利用されており、圧倒的な導入数を誇ります。人気の理由としては無料でほぼすべての機能が利用できることにあります。
世界のPOSレジシェアランキング
それでは、世界全体のPOSレジシェアランキングを見ていきましょう。「POS端末・決済端末ターミナル業界の世界市場シェアの分析」によると、2021年のシェアランキングは以下の通りでした。
シェアランキング | 企業名 | シェア率 |
---|---|---|
1位 | ワールドライン | 3.8% |
2位 | 東芝テック | 2.7% |
3位 | ベリフォン | 2.1% |
4位 | パックス・テクノロジー | 1.1% |
5位 | Xgd | 0.7% |
6位 | SZZT | 0.2% |
多くが、海外メーカーの中、日本の東芝テックが2位となっています。
上位6企業はそれぞれ、1位のワールドラインがフランス、2位東芝テックが日本、3位べりフォンがアメリカ、4位パックス・テクノロジーが中国となっています。また、直近の出荷台数ですと中国企業が1位となっており、今後シェアランキングの逆転が想定されます。
日本の東芝テックの世界シェアランキングは2位、シェア率は2.7%という結果となりました。
シェア率上位POSレジメーカーの売上ランキングを調査してみた
上記で紹介したターミナルPOSレジとタブレットPOSレジの国内シェア上位メーカーについて、売り上げを調査してランキングにしてみました。※POSレジ部門で限定するのが難しかったため、グループ全体の売上を比較しています。
ターミナルPOSレジメーカーの売上ランキング
各社の2022年3月期の売上を調査したところ、ターミナルPOSレジメーカーの売上ランキングは以下の通りでした。
シェアランキング | メーカー名 | 売上高(百万円) |
---|---|---|
1位 | 富士通 | 3,014,095 |
2位 | NEC | 3,014,095 |
3位 | シャープ | 2,495,586 |
4位 | 東芝テック | 445,317 |
5位 | TBグループ | 230,000 |
6位 | 寺岡精工 | 111,600 |
調査方法:各社の有価証券報告書の直近の年間売上を自社にて調査
会社単位の売上でみると、富士通やNEC、シャープなどPOSレジ以外の事業の売り上げが多い企業が上位にきました。
タブレットPOSレジメーカーの売上ランキング
各社の2022年3月期の売上を調査したところ、タブレットPOSレジメーカーの売上ランキングは以下の通りでした。
シェアランキング | メーカー名 | 売上高(百万円) |
---|---|---|
1位 | リクルート | 880,119 |
2位 | スマレジ | 3,324 |
調査方法:各社の有価証券報告書の直近の年間売上を自社にて調査
リクルートのみ、他の事業を多数展開しており頭二つ三つ抜けた売上高になっています。スマレジはほぼタブレットPOSレジ専門の企業になります。タブレットPOSレジ中心で30億円なので、かなり営業が好調だと考えられます。ユビレジは非上場なので、売上データが公開されていませんでした。
今後のPOSレジ業界のトレンドは?
ここでは、今後のPOSレジ業界のトレンドを紹介していきます。
①インボイス制度開始に伴うリプレイス需要の増加
2023年10月1日から、新たな税制としてインボイス制度が導入される予定です。インボイス制度は、消費税10%への引き上げによって煩雑化した消費税を正確に把握するために導入されます。
インボイス制度においては、仕入税控除額を受けるためにインボイス制度に適した請求書を発行しなければなりません。そのため、事務作業の手間が増えます。
インボイス制度の概要が発表されてから、各POSレジメーカーは適格簡易請求書を発行できるPOSレジを開発しており、これにより事務作業の効率化が可能です。
今後はインボイス制度に対応したレジを持っていない店舗が、事務作業の効率化を図るために新たなPOSレジに入れ替えるケースが増えてくるでしょう。特に制度開始直前の2023年8月~9月は入れ替え需要のピークとなりレジの品薄が懸念されているため、入れ替えが必要な事業者は早めに準備を進めましょう。
②セルフレジ(セミセルフレジ)導入率の続伸
セルフレジ(セミセルフレジ)は、POSレジと自動釣銭機を連携させることで会計時間を短縮させることが可能です。セミセルフレジの場合、レジスタッフが商品バーコードを読み込んだ後、顧客が自動釣銭機に商品の合計金額を投入して会計を行います。
セミセルフレジは、直接現金を受け渡す必要がないため、感染症の感染リスク予防に効果的です。他にも、レジ付近の混雑緩和やスムーズなキャッシュレス決済が可能なので、今後も需要はあるでしょう。
特にクリニックでの導入が進んでおり、院内感染リスクの軽減が期待されています。
また、バーコードで商品を読み取るだけでなくユニクロのレジのような商品を置くだけで会計表示が可能なレジが登場しています。製品につけられたタグをレジ代が自動スキャンして会計データを表示する「RFID」技術が使われており、RFIDレジとも呼ばれています。
セルフレジ(セミセルフレジ)については以下の記事で詳しく解説しています。
③無人店舗(セルフスキャンシステム)の登場
セルフスキャンシステムは、最先端の買い物体験を提供する仕組みです。セルフスキャンシステムは、新型コロナウイルスの影響により、POSレジに並ばなくても買い物が行えるようにする目的で2020年に提供され始めました。
セルフスキャンシステムでは、顧客が買い物中に自分で商品登録を行います。そのため、レジで商品登録する必要がありません。セルフスキャンシステムの基本的な流れは以下の通りです。
- 店内の入り口でセルフスキャンを行うための貸出スマートフォンを受け取る
- 購入する商品を貸出スマートフォンで商品登録する
- 購入予定の商品のピックアップが終わったら、精算機と貸出スマートフォンを連携させて商品情報を読み込ませる
- 合計金額を確認した上で精算を行う
実際の製品例として、寺岡精工のSHOP&GOが挙げられます。セルフレジと連動し他システムでスーパーなどを中心に導入が進んでいます。以下の紹介動画もチェックしてみてください。
セブンイレブンでも、セルフスキャンシステムとして12月15日より「セブンスマホレジ」が全国51店舗にてスタートしています。利用客は専用アプリを事前にダウンロードして会員登録を行うことで、スマートフォンでバーコードを読み取り、レジに並ばずに会計をすることができます。
現状、技術としては確立され始めたものの、まだ本格的な導入は始まっていません。ただしセルフスキャンシステムはより先進的な技術として今後導入が続々と進んでいくでしょう。レジ業界のネクストトレンドになる可能性があります。
シェア率の高いPOSレジを紹介
ここでは、シェア率の高いPOSレジを紹介していきます。それぞれ特徴が異なるので、比較しながら導入を検討してみてください。
スマレジ|スマレジ株式会社
スマレジは月額利用料が0円で、無料で基本的なPOSレジ機能を使用可能です。iPhoneやiPadにアプリをインストールするだけで簡単に使用できます。多くの店舗経営者やスタッフから支持されており、導入実績は2023年5月時点で126,000店舗以上です。
飲食店向けのモバイル・セルフオーダー機能もあり、非接触・非対面化を実現します。非常に多機能でキャッシュレス決済端末や自動釣銭機との連携もできるので、一度ショールームの見学や無料オンライン相談をしてみるといいでしょう。
■ おすすめポイント
- 月額利用料が0円
- 多くの店舗経営者やスタッフから支持されている
- 非接触・非対面化を実現できる
■ 製品情報
おすすめの業種 | 飲食店、小売店、アパレル |
導入店舗数(シェア率) | アクティブ店舗数38,000店舗以上(2023年7月時点) シェア率:約3.9%(2022年4月時点) |
主なPOSの機能 | 基本のレジ機能、周辺機器対応、売上分析、顧客管理、複数店舗管理、本部管理、キャッシュレス決済、予算管理、小売店向け在庫管理、受注管理、免税対応、軽減税率対応、スマレジ・アプリマーケット、外部システム連携、スマレジAPI、スマレジ・タイムカード連携、オーダーエントリー、オフライン対応、セルフオーダー、 商品別税設定、データのCSV出力、スタッフ管理、セルフレ・券売機、クイックコマンド、トレーニングモード、スマレジ・ストア、イベントカレンダー、PL管理、アラート通知機能 |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 〇 |
保守・サポート対応 | メールサポート(平日9:00~22:00のみ)365日対応コールセンター(受付時間:9:00~22:00)※365日対応コールセンターはプレミアムプラス以上のプランのみ |
Airレジ|株式会社リクルート
Airレジもスマレジと同様に、0円で利用できるPOSレジアプリです。注文入力・会計や管理・分析などの機能を無料で利用できます。iPadを活用してレジ業務を行うため、操作性が高くデザイン性にも優れているので、店舗の雰囲気を損ねません。非常にシンプルな設計になっているので、すぐに問題なく使用できるようになるでしょう。
Airレジのアカウント数は709,000以上で、POSレジアプリNo.1のダウンロード数です。
■ おすすめポイント
- 操作性が高くデザイン性に優れている
- シンプルな設計
- POSレジアプリ利用店舗数No.1
■製品情報
おすすめの業種 | 小売店、飲食店など |
導入店舗数(シェア率) | 709,000アカウント(POSレジアプリ利用店舗数No.1) |
主なPOSの機能 | 商品入力、割引・ 割増、端数値引、軽減税率、非課税、キャッシュレス、レシート出力、キャッシュドロア連携、領収書発行、バーコード読み取り、オフライン機能、伝票一覧、個別会計、返品・返金、会計前レシート、カスタマーディスプレイ機能、リソース管理、入出金、レジ締め前伝票一覧、訂正伝票作成、レジ点検・ 清算・清算履歴、取引履歴、点検レシート、清算レシート、日別売上、商品別売上、売上集計CSVのダウンロード、会計明細CSVのダウンロード、顧客管理、商品管理、基本情報管理、出前館連携 |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 〇 |
保守・サポート対応 | メール、チャット |
ユビレジ|株式会社ユビレジ
ユビレジは継続利用率が99%で、全世界の導入数は30,000店舗以上です。非常に顧客満足度が高く、売上向上に役立つ機能が豊富に備えられています。飲食店や小売店などに特化した機能も備わっており、さまざまな業種で使用可能です。システム連携にも柔軟に対応しています。
1か月間無料でお試しができるので、興味のある方は一度問い合わせてみるといいでしょう。
■おすすめポイント
- 継続利用率が99%
- 全世界導入数30,000万店舗以上
- 1か月間無料でお試し可能
■製品情報
おすすめの業種 | 飲食店、小売店など |
導入店舗数(シェア率) | 30,000店舗以上 |
主なPOSの機能 | レジ機能、キャッシュレス機能、原価・勤怠・予実管理、ユビレジハンディ、ユビレジ QRオーダー&決済、ユビレジセルフオーダー、在庫管理、顧客管理、CRM機能、 売上管理、分析機能、複数店舗管理、ユビレジAPIなど |
自動釣銭機連携 | 要問合せ |
会計ソフト連携 | 〇 |
保守・サポート対応 | 無料メールサポート(平日10:00~17:00)標準電話サポート:月額利用料:無料 受付時間:(年末年始く)平日 10:00〜18:00電話サポートプレミアム・月額利用料:2,000円 受付時間:年中無休 10:00〜22:00 |
Square|Square
Squareは初期費用無料で導入でき、基本的なPOSレジ機能も無料で利用可能です。OSはIOS・Androidに対応しているため、さまざまなスマートフォン・タブレット端末で使用できます。
また、クレジットカードや電子マネー・PayPay決済など、さまざまな方法でキャッシュレス決済が可能です。キャッシュレス決済の売上が最短翌営業日に入金されるのは、店舗側にとって大きな魅力でしょう。
■おすすめポイント
- 初期費用無料
- IOS・Android対応
- キャッシュレス決済の売上は最短翌営業日に入金
■製品情報
おすすめの業種 | 小売店、飲食店、美容・サロンなど |
導入店舗数(シェア率) | 100,000店舗以上(国内) 2,000,000事業者以上(全世界) |
主なPOSの機能 | 売上管理、顧客管理、勤怠管理、複数店舗管理、eギフトカード、キャッシュレス決済、 予約管理、売上データ分析、スタッフ管理、顧客リスト【リテールPOSレジ】在庫管理、オンライン販売、 |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 〇 |
保守・サポート対応 | 電話サポート(受付時間10:00~18:00)※年末年始・臨時休業日を除く |
Loyverse POS|Loyverse
Loyverse POSは、スマートフォン・タブレット端末を活用するPOSレジアプリです。世界170ヵ国以上で利用されており、100万店舗以上の店舗が導入しています。
基本的なPOSレジ機能は無料で、キッチンディスプレイシステムや売上分析なども無料で使用可能です。また、多くの国で使用されているため、さまざまな決済システムと連携できます。
■おすすめポイント
- 世界170ヵ国以上で利用されてる
- 100万店舗以上の店舗が導入
- 基本的なPOSレジ機能は無料
■製品情報
おすすめの業種 | 小売店、飲食店など |
導入店舗数(シェア率) | 1,000,000店舗以上(全世界) |
主なPOSの機能 | レシート印字、キャッシュレス決済、注文伝票、割引、返金、商品のバリエーション、商品のオプション、入出金管理、簡単スキャン、オフライン作業可、多店舗経営、商品のインポート、在庫数追跡、発注書、転送オーダー、在庫調整、棚卸、精算機能、ラベル印刷、在庫履歴、従業員管理、従業員別売上、勤怠管理、売上分析、販売動向、売れ筋商品、レジ精算、レシート履歴、税金レポート、 |
自動釣銭機連携 | 要問合せ |
会計ソフト連携 | 〇 |
保守・サポート対応 | 24時間チャットサポート |
WILLPOS-Touch(ウィルポス・タッチ)QT‐20|東芝テック株式会社
WILLPOS-Touch(ウィルポス・タッチ)QT-20は、スタイリッシュなデザインが魅力のタッチターミナルです。コンパクト設計なので、狭いスペースでも設置できます。
防滴性に優れており、濡れものを扱う飲食店でも安心して使用可能です。また、ほこりや油が入りにくいファンレス設計になっています。
POSシステムは、飲食店向けと専門店向けのパッケージがあるので、さまざまな飲食店や小売店などで導入可能です。
■おすすめポイント
- スタイリッシュなデザインが魅力
- 防滴性に優れている
- 飲食店向けと専門店向けのパッケージがある
■製品情報
おすすめの業種 | 小売店、飲食店など |
導入店舗数(シェア率) | 約36%(東芝テックPOSシステム全体の数字) |
主なPOSの機能 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
保守・サポート対応 | 要問合せ |
TWINPOSシリーズ|NECプラットフォームズ
NECプラットフォームズ株式会社が提供しているTWINPOSシリーズは、プリンタ一体型やセルフ清算型POSなど、さまざまな種類のターミナルPOSがあります。飲食店や小売業向けの機能を備えたPOSシステムも提供しているため、多くの業種で導入可能です。
2023年3月に製造や流通などでの活用を目的としている、業務用タブレット端末「TWINPOS Sx(ツインポス エスエックス)」の発売を予定しています。
■おすすめポイント
- さまざまな種類のターミナルPOSがある
- 飲食店や小売業向けのPOSシステムを提供
- 2023年3月に新製品発売予定
■製品情報
おすすめの業種 | 飲食店、小売店など |
導入店舗数(シェア率) | 約28% |
主なPOSの機能 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
保守・サポート対応 | 要問合せ |
TeamPOS7000シリーズ|富士通フロンテック
東芝テック株式会社が提供しているWILLPOSシリーズは、セルフレジ一体型やプリンタ一体型などのPOSレジがあります。さまざまな種類があり、セルフレジ・セミセルフレジだけでも複数の種類から選択可能です。
最近では、極小店舗向け無人決済店舗システムを開発に成功し、導入することでレジ業務が一切不要になり人件費を削減できます。POSシステムは、専門店・飲食店向けの他、百貨店に特化した機能を備えているものがあるので、幅広い業種で使用可能です。
■おすすめポイント
- セルフレジ・セミセルフレジだけでも複数の種類がある
- POSレジの他に極小店舗向け無人決済店舗システムも開発
- 幅広い業種で使用可能
■製品情報
おすすめの業種 | 専門店、飲食店、百貨店など |
導入店舗数(シェア率) | 約18% |
主なPOSの機能 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
保守・サポート対応 | 要問合せ |
POSターミナル RZ-A395S|シャープマーケティングジャパン株式会社
シャープマーケティングジャパン株式会社が提供しているPOSターミナル RZ-A395Sは、業界最小クラスのコンパクト設計となっており、限られたスペースでも設置可能です。
レシートには、商品画像やQRコードを印字することができます。
同社は飲食店や医療機関向けPOSシステムの他、アパレルや書店に特化したPOSシステムも提供しており、大手企業のグループ会社なので信頼性が高く安心して使用可能です。ガソリンスタンド向けのPOSでも一定のシェアを誇っています。
■おすすめポイント
- 業界最小クラスのコンパクト設計
- レシートに商品画像やQRコードを印字できる
- 大手企業のグループ会社のため信頼性が高い
■製品情報
おすすめの業種 | アパレル、ドラッグストア、ホームセンター、書店など |
導入店舗数(シェア率) | 約9% |
主なPOSの機能 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
自動釣銭機連携 | 〇 |
会計ソフト連携 | 要問合せ(使用するPOSシステムによって異なる) |
保守・サポート対応 | 24時間リモート対応など |
おすすめのPOSレジについては以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
POSレジは多機能で、店舗経営において大きな役割を果たしますが、国内での導入率はまだ低い状況です。今後、数年の間は安定した需要が期待できるでしょう。
インボイス制度に対応していないレジを使用している店舗や、セミセルフレジの導入を考えている店舗は、今回の記事の内容を参考に検討してみてください。