- そもそもフルセルフレジとは何なのか?
- フルセルフレジとセミセルフレジ・有人レジとの違い
- フルセルフレジ導入のメリット・デメリット
- 人気のフルセルフレジメーカー
近年、フルセルフレジを導入する店舗が増えており、その背景には新型コロナウイルスの影響による感染症予防や、レジ業務の効率化などがあります。
従来のPOSレジは商品バーコードの読み込みから金銭授受までスタッフが対応する必要がありましたが、現在はセミセルフレジやフルセルフレジの登場により、衛生的かつスムーズな会計が可能です。
今回の記事では、フルセルフレジのメリット・デメリットや、セミセルフレジとの違いを解説しますので参考にしてください。
フルセルフレジとは?
フルセルフレジの場合は、お客様自身がみずから商品バーコードを読み込み、精算まで行います。そのため、レジスタッフは不要です。結果的に人件費を大幅に抑えることができ、少人数でも店舗運営ができるようになります。
ただし、フルセルフレジの操作方法がわからないお客様もいるので、その際はサポートが必要です。また、操作に慣れていない顧客は逆に時間がかかってしまう場合があります。
なお、フルセルフレジの価格相場は200~450万円であり、券売機や自動精算機よりは安価で導入することが可能です。
フルセルフレジのメリット8つ
フルセルフレジには、さまざまなメリットがあります。ここでは、以下の8つのメリットを解説しますので、導入する際の参考にしてください。
- 人件費削減につながる
- 待ち時間の削減につながる
- お会計ミスがなくなりレジ締め時間が短縮される
- 売り上げ管理の負担が軽減される
- インバウンド客への対応も可能
- キャッシュレス決済の導入がスムーズ
- 非接触レジになるので感染防止対策になる
- 非接触レジになるので感染防止対策になる
人件費削減につながる
フルセルフレジを導入することでレジスタッフが不要になるため、人件費を大幅に削減可能です。
最低限の人数で店舗を回すことができるようになり、経費削減効果も期待できます。人件費は経費の中でも多くの割合を占めるので、それを削減できるのは大きなメリットになるでしょう。
待ち時間の削減につながる
フルセルフレジは、従来のスタッフが会計を行うレジと比べて、レジ待ちの時間を減らすことが可能です。レジの回転率が上がることで、店舗の売り上げアップにもつながります。また、待ち時間が減ることでお客様のストレス軽減効果も期待でき、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
お会計ミスがなくなりレジ締め時間が短縮される
フルセルフレジは自動釣銭機で清算を行うため、お釣りの渡し間違えなどのヒューマンエラーを無くすことができます。そのため、正確に売上管理ができ、営業終了後のレジ締めをスピーディーに行うことが可能です。結果的に残業時間の削減にもつながるので、さらに人件費を減らすことができます。
売り上げ管理の負担が軽減される
フルセルフレジを導入することで、売上管理も正確かつ効率的に行うことが可能です。POSレジはリアルタイムで販売データが記録されていくため、「いつ」「誰が」「何を」「何個」「どんな支払い方法で」購入したかが記録されるようになっています。
また、売上管理を効率化できるだけではなく、在庫や商品などの管理もできるため、多角的に分析が可能です。
インバウンド客への対応も可能
フルセルフレジの中には、多言語対応しているものもあり、クレジットカード決済などにも対応しているので、インバウンド客も問題なく買い物ができます。売上アップも期待できるので、フルセルフレジの導入メリットは非常に大きいです。
キャッシュレス決済の導入がスムーズ
フルセルフレジは、さまざまなキャッシュレス決済に対応可能です。
従来のPOSレジの場合、現金とクレジットカード決済のみだったという店舗でも、フルセルフレジ導入のタイミングでスムーズにキャッシュレス決済を導入できます。
キャッシュレス決済を導入することで、清算にかかる時間が大幅に短縮できるため、レジの回転率が向上するでしょう。
非接触レジになるので感染防止対策になる
フルセルフレジは完全に非接触です。セミセルフレジの場合、スタッフが商品をスキャンする必要がありますが、フルセルフレジはお客様がすべて自分で行います。そのため、衛生的に会計を行うことが可能です。新型コロナウイルスの影響によって衛生面を気にする方は多くなっているので、フルセルフレジがあるという理由で来店するお客様が増える可能性もあります。
新たな顧客体験が提供できる
フルセルフレジはまだまだ普及率が低く、利用したことがないという人も多くいます。子供連れの場合は楽しみながら会計を行うことができ、利用したことがない人も一度利用してその便利さに気づく可能性があるでしょう。
競合店がフルセルフレジを導入していない場合、自店舗でいち早く導入することで、来客率アップも期待できます。
フルセルフレジのデメリット4つ
フルセルフレジには、さまざまなメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。ここでは、以下の4つのデメリットを解説しますので、導入する際の参考にしてください。
- 導入価格が通常のレジより高額
- お客さんとのコミュニケーションの機会が減少
- お客さんによっては使いこなせない
- 万引きやスキャン忘れのリスクがある
導入価格が通常のレジより高額
フルセルフレジは、通常のPOSレジより高額です。通常のPOSレジの価格相場は10~50万円程度ですが、フルセルフレジは200~450万円程かかります。これは、通常のPOSレジとは異なる機器を使っているためです。
フルセルフレジを導入する際は、本当に必要かどうか考えた上で、少ない台数から導入するようにしましょう。
お客さんとのコミュニケーションの機会が減少
フルセルフレジを導入した場合、通常のPOSレジやセミセルフレジと比べて、スタッフとのコミュニケーションの機会が極端に少なくなります。新型コロナウイルスの影響もあり、人との接触がないことがメリットになっている事実もありますが、お客様の中にはスタッフとコミュニケーションをとりたいと考えている方も多いです。しかし、フルセルフレジの場合はコミュニケーションの機会が減ってしまうため、お客様によってはネガティブな印象を抱いてしまう方もいるでしょう。
お客さんによっては使いこなせない
フルセルフレジ導入後、すぐにすべてをお客様任せにするのは難しいと考えておきましょう。最初のうちは操作に慣れない方が多く、特に年配のお客様はこういった機器に苦手意識を持っている方が多いです。
そのため、導入後はフルセルフレジの操作をサポートするスタッフが必要になります。
操作方法が分からないお客様が多い場合、レジの待ち時間軽減のために導入しても逆に混雑してしまうことも考えられるので、事前に対応策を考えておきましょう。
万引きやスキャン忘れのリスクがある
フルセルフレジはレジ前にスタッフを配置しないため、お客様による万引きや、うっかり支払いを忘れてしまう可能性が考えられます。お客様によっては、商品のバーコードを読み込んだ時点で支払いが完了したものだと勘違いする方もいるので、カメラの設置やサポートスタッフの配置が必要になるでしょう。
セミセルフレジや有人レジとの違いは?
有人レジは、お客様が購入する商品のバーコードの読み込みから、金額の提示・ 金銭の授受まで、すべてスタッフが行わなければなりません。セミセルフレジの場合は、商品のバーコードの読み込みのみスタッフが行い、金額が提示された後はお客様自身で精算を行います。
フルセルフレジは有人レジ・セミセルフレジとは異なり、スタッフを必要としませんが、導入価格が非常に高額です。 下記の表では、それぞれのレジの会計の流れや導入価格を比較していますので、見比べてみてください。
フルセルフレジ | 有人レジ | セミセルフレジ | |
---|---|---|---|
会計の流れ | お客様自身で購入する商品のバーコードをひとつずつスキャンする。合計金額が表示されたらお客様自身で支払い方法の選択を行う。選択した支払方法でお客様自身で自動釣銭機へ支払いを行う、レシートを受け取る。 | 購入する商品のバーコードをスタッフが読み込む。合計金額をお客様へ提示する。お客様へ支払い方法を尋ねる。お客様が選択した支払方法に応じて精算を行う、レシート渡す。 | 商品バーコードの読み込みはレジスタッフに行ってもらう。合計金額が表示された後、支払い方法を選択する。選択した支払方法でお客様が自動釣銭機を使用して支払いを行う、レシートを受け取る。 |
導入価格 | 200万円~450万円/台 | 10万円~50万円/台 | 100万円~450万円/台 |
人件費削減効果 | ◎ | × | △ |
レジ回転率 | 〇 | × | △ |
お客様の負担 | △ | ◎ | ◎ |
レジ締め時間の 短縮 | 〇 | 〇 | 〇 |
衛生面の効果 | ◎ | × | 〇 |
有人レジ、セミセルフレジについてそれぞれ詳しくは下記の記事をチェックしてみてください。
いろんなタイプのフルセルフレジ
フルセルフレジには複数のタイプがあります。それぞれの概要は以下の通りです。
セルフ精算機(セルフレジ)
セルフ精算機は、お客様が自分で商品を読み込み、支払いを行うことができるレジシステムです。顧客は商品のバーコードをスキャンして、値段を確認した後に支払い方法を選択して支払います。一般的には、現金・クレジットカード・電子マネーなどの支払い方法を選択可能です。
セルフ精算機は、レジ待ち時間の短縮や人手不足の解消などのメリットがあり、精算時に起こりがちなミスや盗難のリスクを軽減することも期待されています。
券売機
券売機は自動販売機の一種で、乗り物や施設などの入場券や乗車券、飲食店の食券やイベントのチケットなどを販売するために利用されます。顧客は目的の券やチケットの種類を選択し、支払いを行うことが可能です。一般的には、現金・クレジットカード・電子マネーなどの支払い方法を選択できます。
待ち時間を大幅に軽減できるためお客様からも好評で、店舗側も人手不足の解消や収益の増加などのメリットがあります。
自動精算機
飲食店などで利用される自動精算機は、注文した料理やドリンクの値段を自動的に計算し、支払いを行うことができるシステムです。タッチパネルなどの画面で注文内容を入力し、飲食代金を支払います。レジ待ち時間の短縮や、人手不足の解消などのメリットがあり、飲食店利用者からも好評です。また、注文内容や金額に関するミスや、トラブルを軽減することも期待されています。
RFIDレジ
RFIDレジは、商品に取り付けられたRFIDタグを読み取り、自動的に精算を行うレジのことです。RFIDタグには、商品情報や価格情報などが含まれています。お客様は、商品をRFIDリーダーにかざすだけで、精算を自動で行うことが可能です。
RFIDレジは、従来のバーコード方式に比べて商品の読み取り速度が速く、スキャン作業が不要なので精算をスムーズに行えます。また、お客様が買い物かごに入れた商品をRFIDリーダーにかざすだけで自動的に値段を計算するため、お客様の負担を軽減することが可能です。
ただし、RFIDタグを取り付けるコストがかかるため、導入コストが高くなる可能性があります。
セルフスキャンシステム
セルフスキャンシステムは、小売店やスーパーマーケットなどで使用されており、お客様が自ら商品のバーコードをスキャンし、精算を行うことができるシステムです。顧客は、店内に設置されたセルフスキャン端末で商品のバーコードを読み取り、支払いを行います。一般的には、現金・クレジットカード・デビットカード・電子マネーなどの支払い方法を選択可能です。
セルフスキャンシステムは、レジ待ち時間の短縮や人手不足の解消などのメリットがあり、小売店やスーパーマーケットの利用者からも好評です。ただし、お客様が操作方法やバーコードの読み取りに慣れていない場合があるため、ストレスを感じる可能性も考えられます。
人気のフルセルフレジメーカーを紹介
ここでは、人気のフルセルフレジメーカーを紹介していきます。
株式会社ビジコム
取り扱いフルセルフレジタイプ | セルフ精算機 |
活用される業種 | 汎用 |
- 非常に多機能
- 複数店舗を管理できる
- さまざまな業種で利用可能
株式会社ビジコムのPOSレジはさまざまな業種や店舗で利用可能な汎用性の高いPOSレジシステムです。飲食店や小売店、美容室やクリニックなど、幅広い用途に対応することができます。モニターは直感的に操作できるタッチパネルを採用しており、視覚的にわかりやすく、迅速な会計が可能です。
自動釣銭機と連動させることで、フルセルフレジとして運用することができ、店舗のニーズによってセミセルフレジとして運用することもできます。
ポスタス株式会社
取り扱いフルセルフレジタイプ | 券売機/自動精算機 |
活用される業種 | 汎用 |
- 直感的な操作ができる
- 導入後スムーズに運用できる
- マルチ決済対応の飲食店用の券売機も提供している
ポスタスは、シンプルで直感的な操作性が特徴です。多様な業種に対応しており、飲食店・小売店・美容室・クリニックなど、さまざまな業種で利用できます。また、クラウド型のPOSシステムなので、導入後の運用や保守管理が容易です。複数店舗を運営している場合でも、クラウド上でデータを一元管理ができます。
非接触・マルチ決済対応の飲食店用の券売機も提供しており、サイズが3種類あるため店舗に合わせて導入することが可能です。
株式会社GENOVA
取り扱いフルセルフレジタイプ | 自動精算機 |
活用される業種 | クリニック |
- 電子カルテ・レセコンなどと連携できる
- 待ち時間なしで自動精算機で会計を済ませることができる
- オプション機能で自動再来受付機機能を搭載することも可能
株式会社GENOVAが提供しているNOMOCa-Regiは、電子カルテ・レセコンなどとの連携ができるクリニック向けのPOSレジシステムです。患者は診察終了後、待ち時間なしで自動精算機で会計を済ませることができます。明細書やお薬引換券はすぐに発行されるため、患者のストレスを軽減可能です。
また、自動精算機のサイズは非常にコンパクトなので、狭いスペースでも設置できます。オプション機能で自動再来受付機機能を搭載することも可能です。
東芝テック株式会社
取り扱いフルセルフレジタイプ | 自動精算機/セルフ精算機/セルフスキャンシステム |
活用される業種 | 小売店/飲食店など |
- POSレジシェア率ナンバーワン
- 最先端の技術を取り入れたセルフレジシステムを提供
- 各業種に特化したPOSシステムを提供している
東芝テック株式会社はPOSレジシェア率ナンバーワンのメーカーで、さまざまなセルフレジシステムを提供しています。 通常のフルセルフレジやセミセルフレジの他、売場へ移動型のセルフレジシステムや、無人決済店舗システム喉も提供しており、最先端の技術を導入することが可能です。
各業種に特化したPOSシステムを提供しているので、店舗の用途に合わせて導入できます。
まとめ
フルセルフレジはさまざまなメリットがある一方で、 使用方法が分からない顧客へのフォローなど、少なからずデメリットもあります。また、導入コストはセミセルフレジより高額なため、導入する際は慎重に検討する必要があるでしょう。
フルセルフレジの導入を検討している方は、今回の記事の内容を読んだ上で紹介したメーカーの中から選んでみると良いでしょう。