業務効率化の一環として、券売機を導入している飲食店も多いのではないでしょうか。
券売機も機械なので、長く使用していると故障やエラーが発生します。
万が一、営業中に故障やエラーが発生してしまうと、お客様とのトラブルにつながりかねません。
本記事では、券売機に故障やエラーが発生しても迅速に対応できるように、事例と対処方法を解説します。
また、トラブルを未然に防ぐメンテナンス法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
券売機のよくある故障・エラー例と対処法
ここでは、以下の券売機によくある故障・エラー事例と、その対処方法を紹介します。
- お札(紙幣)が詰まる入らない(ビルバリ(紙幣識別装置)の異常)
- 硬貨に反応にしない
- タッチパネルやボタンが反応しない
- 釣銭が払い出されない
- 食券や領収書が出てこない
- タッチパネルの液晶モニターやボタンランプに異常
お札(紙幣)が詰まる入らない(ビルバリ(紙幣識別装置)の異常)
券売機にお金を投入する際に、「紙幣が入らない」「硬貨が詰まっている」などの不具合は多いです。
お金が詰まってしまうと、券売機が故障する原因になります。
特に紙幣は紙製なので、劣化による詰まりが多く見られます。
例えば、濡れた手で触った紙幣は水分が多く含まれていたり、汚れが表面についていたりなど、原因はさまざまです。
これらのトラブルは、どのメーカーの券売機でも発生します。そのため、以下で解説する対処法は必ず知っておきましょう。
お札詰まりの対処法
お札が券売機に詰まった場合の対処法は以下のとおりです。
- 券売機の画面にエラーが表示される
- 券売機の電源をOFFにする
- 紙幣識別装置を取り出す
- 紙幣識別装置のカバーを開ける
- 詰まった紙幣を取り出す
- カバーを閉める
- 紙幣識別装置を券売機に戻す
- しっかり固定
- 電源をONにして扉を閉める
- 起動後、エラーを解除する
- 動作の確認
- 販売画面に戻る
▼動画で対処法を見る
硬貨に反応にしない
券売機に硬貨を投入しても反応しない場合は、券売機の部品が故障している可能性があります。
次に解説する対処法で解決しなければ、券売機の部品を取り替えなければなりません。購入先やメーカーへ相談しましょう。
対処法
硬貨が反応しないときの対処法は以下のとおりです。
- 券売機の画面にエラー表示が出ているのを確認する
- 釣銭チューブを取り外す
※外れないからと言って無理に外すと故障の原因になるため注意が必要です。
釣銭チューブを外した状態で電源をON/OFFにする
- 釣銭チューブ内を確認し、変形した硬貨などがあれば取り除く
- ペイアウトスライドも同様に確認する
- ペイアウトスライドを取り付ける
- 券売機を起動後、釣銭チューブを再セット
- エラー表示が解除されていることを確認
- リカバリー情報の確認
- 販売画面に戻る
▼動画で対処法を見る
タッチパネルやボタンが反応しない
券売機のタッチパネルやボタンを押しても反応しない、一部の範囲だけ認識しない、このような不具合は早急に解決しましょう。
放置しておくと利便性が悪くなり、顧客満足度の低下につながります。
対処法
券売機のタッチパネルが反応しない場合やボタンの誤作動は、まずホコリや汚れを疑ってください。
ホコリや汚れを除去することで、反応がよくなる場合もあります。また、日頃から掃除して、綺麗な状態を保つことが大切です。
釣銭が払い出されない
釣銭が払い出されない場合は、お金が詰まっている可能性があります。詰まりを解消してもエラーが解除されない時は、複数箇所での詰まりを疑ってみてください。
特に以下の3箇所を確認しましょう。
- 払い出し口
- ローラー部
- 後方部
対処法
上記で説明した、3箇所の詰まりを解消する方法は以下のとおりです。
【払い出し口の対処法】
- 券売機にエラー画面が表示されていることを確認
- 払い出し口を確認
- 紙幣が詰まっている場合はピンセットなどで取り出す(紙幣を破らないように注意)
【ローラー部の対処法】
- 券売機にエラー画面が表示されていることを確認
- 扉を開けて電源をOFFにする
- ロックを外し、払い出し機を引き出す
- キャッシュボックスを取り外す
- 紙幣の詰まりがあれば慎重に取り出す
【後方部の対処法】
- 払い出し機を取り外す
- 後方の部品を外す
- 詰まった紙幣を取り出す
- 後方の部品を取り付ける
- ステップ5:払い出し機を戻して扉を閉める
- ステップ6:電源をONにして、扉を閉める
- ステップ7:券売機を起動後、エラーを解除
- ステップ8:リカバリー情報を確認し、販売画面に戻る
▼動画で対処法を見る
食券や領収書が出てこない
食券や領収書を発行しようとしても出てこないケースがあります。ロールペーパー切れや引換券が切れている可能性が高いです。
対処法
ロールペーパーや引換券を券売機に補充しましょう。
タッチパネルの液晶モニターやボタンランプに異常
「タッチパネルの液晶モニターが映らなくなった」「LEDボタンが点灯しない」などの異常も見られます。
対処法
一度券売機を「再起動してみる」「ケーブルが正常に繋がっているか」「電源が入っているか」などを確認するとよいでしょう。
それでも解決しない場合は、購入先のメーカーなどへ問い合わせて専門スタッフに依頼する必要があります。
券売機で発生した故障・エラーをスムーズに解決するポイント・コツ
ここでは、券売機で故障やエラーが発生した際に、迅速に解決をするためのポイントを解説します。
- 券売機の取扱説明書を確認する
- 清掃・ホコリ取りなどメンテナンスを行う
- メーカーの保守・サポート担当に問い合わせる
- すぐに直らない場合は代替機を用意してもらえるか確認する
券売機の取扱説明書を確認する
まずは、券売機に備え付けられている取扱説明書を確認しましょう。取扱説明書には、よく発生する故障やエラーの解決方法を記載している場合が多いです。
また、券売機にエラー番号が表示されていれば、取扱説明書とエラー番号を照らし合わせて解決方法を確認できる場合があります。
取扱説明書を見ながら解決できそうであれば、自身で解決を試みてもよいでしょう。
清掃・ホコリ取りなどメンテナンスを行う
券売機にホコリや汚れが溜まると、タッチパネルが反応しづらくなる可能性があります。
そのため、券売機の清掃、ホコリを除去するなどの定期的なメンテナンスが必要です。
メーカーの保守・サポート担当に問い合わせる
前述したように、券売機の取扱説明書を見ても解決が難しい場合は、メーカーの保守・サポート担当に問い合わせましょう。
無理に分解、操作して故障させてしまうと、さらに状態は悪化します。故障やエラーの中には、簡単な清掃や調整をするだけで解決できる場合もあるため、すぐに専門のスタッフに任せることも大切です。
すぐに直らない場合は代替機を用意してもらえるか確認する
故障した券売機を修理やメンテナンスに出している間、券売機を利用することができません。
券売機がすぐに直らない場合に備えて、代替機を用意してもらえるか確認しておくとよいでしょう。
また、5年以上使っていて頻繁に故障する場合は買い替えも検討しましょう。
以下の記事よりお店に合った券売機を探してみてください。
エラー防止のために日頃やるべき券売機のメンテナンス・準備とは
券売機を長く使い続けるためには、メンテナンスが重要です。
メンテナンスをしっかり行えば5~8年程度は使用可能(券売機の法定耐用年数は8年)です。
ここでは、エラー防止のためにやるべきメンテナンスや準備を解説します。
- こまめに清掃を行う
- 釣銭収納ボックスの使い方に注意
こまめに清掃を行う
券売機のメンテナンスで重要かつ簡単な方法が、こまめに清掃を行うことです。
タッチパネル式の券売機であれば、画面にホコリや汚れがつかないように拭き掃除を行いましょう。ボタン式の場合は、ボタンの隙間にホコリや汚れが溜まりやすいので、こまめに掃除することが大切です。
また、券売機のカバーを外し、中にホコリが溜まらないように日頃から行えば、紙幣の詰まりなどを防げるでしょう。
釣銭収納ボックスの使い方に注意
券売機のエラーでよく見られるのが「釣銭収納ボックス」です。
注意すべき点として、
- 釣銭の枚数が足りているか
- 指定されたボックス内に硬貨が入っているか
- 異物が混入していないか
などは券売機のエラーにつながります。
1つ目の「釣銭の枚数が足りているか」は、釣銭収納ボックス内の10円と100円が30〜50枚を下回ると、エラーが発生するためです。機種にもよりますが、釣銭の量は最低でも50枚は準備しておくとよいです。
2つ目の「指定されたボックス内に硬貨が入っているか」については、100円のボックス内に10円が入っていると詰まりの原因になります。硬貨を補充する際は、混合しないように注意してください。
3つ目の「異物が混入していないか」は、銀行などで両替した硬貨を包むフィルムやゴミがボックス内に混入してしまう場合があるからです。詰まりの原因になるため注意しましょう。
券売機でよくあるお釣りの取り忘れのトラブルと対処法もチェック
券売機のトラブルとしてよく挙げられるのが、お客様がお釣りを取り忘れることです。
お客様が券売機で券を発行して、しばらく経ってからお釣りの取り忘れに気づくケースがあります。
しかし、混雑時であれば次のお客様が誤って釣銭を取る場合があり、お釣りの行方を確認するのは難しいでしょう。
お客様とのトラブルを避けるためにも、以下で説明する方法を試してみてください。
対処法
お釣りの取り忘れ防止に最も有効な方法は、
「お釣りの取り忘れが多いです。ご注意ください」
といったPOPを券売機の目立つ箇所に貼っておくことです。お金を投入する箇所やチケットの発券口に貼るのもよいでしょう。
POPの文字は赤を使ったり、文字サイズを工夫したりして目立つようにすることも大切です。
券売機の買い替えタイミングは?
券売機の買い替えのタイミングは、券売機の法定耐用年数を目安にするとよいでしょう。
法定耐用年数とは、国が定めたもので、資産としての価値がなくなる期間を指します。
券売機の法定耐用年数は8年です。8年を過ぎた券売機でも、不具合がなければ使い続けることはできます。
しかし、実際は5年程度で使えなくなるケースも多いです。
また、古い券売機を使い続ければ、不具合が発生する可能性も高まります。
そのため、5~8年程度を目安として、券売機を買い替えを検討するとよいでしょう。
▶券売機の耐用年数について詳しくは下記の記事をご覧ください。
故障がどうしても直らない場合は券売機買取サービスを利用しよう
これまで説明してきたメンテナンス方法などを試しても直らない場合は、券売機の買取サービスを利用することをおすすめします。
不要になった券売機を処分する際に、「どこに依頼すればいいのかわからない」と困る方も多いです。
買取店によっては、新品だけでなく中古やジャンク品などの買取も行ってくれます。
券売機の買い替えの際は、利用してみるとよいでしょう。
まとめ
本記事では、券売機の故障・エラーで多い事例と、その対処法を解説してきました。
券売機が故障すると、チケットが発行できず、お客様からのクレームにつながります。
とはいえ、券売機も機械なので、故障やエラーは発生します。
定期的なメンテナンス・清掃を行うことで、券売機を長く使い続けることが可能です。
万が一、券売機が故障・エラーが発生してもすぐに対応できるように、本記事で紹介した対処方法やメーカーへの連絡手段などを把握しておきましょう。
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